「もー、俺だけわかってたらいいって言ってるのに。
どうして切るの?
切らないで伸ばしてよ」
「そ、それは…その……」
「それとも切りたい理由でもあるの?」
まさにその通りだったから、蓮くんの言葉にギクリとしてしまう。
「……菜穂?
どんな理由なの?」
「ち、違うよ…?
理由なんて、ないから……」
「絶対あるよね?
嘘ついてるのバレバレだよ?」
そう言って、蓮くんが立ち上がって私の隣に座ってしまう。
「あ、あの……」
「理由を俺に教えなさい」
ただでさえ隣に座られるだけでもドキドキしてしまうのに、蓮くんは私の腰に手を回してグッと私を引き寄せ、さらに距離を近づけさせる。