「……っ、何、どうしたの?
抱きしめ返してくれるなんて、初めてだ。
今日は記念日だよ菜穂、本当に可愛いね」
蓮くんは私の頭も優しく撫でてくれる。
「蓮くん、怒ってないの…?」
「え?怒ってないよ?
どうしてそう思ったの?」
「だ、だって…全く話してくれなかったから…」
「ああ、それはね、我慢してたんだよ」
「我慢…?」
「図書室で、菜穂が顔を赤くしながら必死で恥ずかしさを我慢してる姿が可愛くて、頭から離れなくて……
どうにかなりそうだったんだ」
「……っ!?」
怒っていないのはわかったけれど、理由を聞いてしまえば恥ずかしさで顔が熱くなる。



