それからしばらく経ち、結局一言も話さないまま家へと着いた。



いつも送り迎えをしてくれる執事さんにお礼を言い、今日もまた家の中へと入る。



だけどその間も沈黙が流れていて、私は泣きそうになった。



泣いたらいいってわけじゃないから我慢するけど、じわじわと涙で視界がにじむ。



そしてリビングに入った時、限界がきた私は蓮くんのシャツを掴んだ。



「……蓮くん…ごめんなさい…私が、悪かったの…ごめんなさい…怒らないで……」



せっかく堪えていた涙が溢れてしまう。