ドアの方に視線を向けてみれば……。
「……あ、桃原さんいた」
確かにそこには綺麗に笑う蓮くんが立っていて。
「れ……か、上条くん…!?
どうしてここに…」
危ない、蓮くんって呼びかけた。
秋野くんにばれてしまう。
「さっき先生が図書室の掃除を頼んだって言ってたから、手伝いに来たんだ」
先生が言ってた…?
でも確かに蓮くんは先に教室を出ていた。
もしかして、戻って来てくれたとか…?
「先生もひどいよね、桃原さん一人に任せるなんて。二人で早く終わらせよっか」
「……え?」
「は…?」
蓮くんは今はっきりと私一人って言った。
てことはもしかして…わざと秋野くんをスルーした?



