すると目を見張る秋野くん。
「…は?お前、泣いてんの?」
「ち、違います…!泣いてないです…!」
どうしても同い年とは思えなくて、敬語になってしまう。
「でも泣きそうだろ。何かあったのか?」
「……え?」
泣いたら絶対面倒くさいだろうし、うざがられると思っていたから、理由を聞かれて驚いてしまった。
「どういう表情だよ、それ」
私が驚いたままでいるから、秋野くんが眉をひそめて聞いてきた。
「あ…えっと、ごめんなさい…私が音を立てて起こしちゃったのかと…」
「それが泣きそうになってた理由なのか?」
「そ、それで怒らせちゃったのかなって……」
私がそう言って、少しの間が空いた後。
「……ははっ、なんだよそれ。
お前変な奴だな」
不機嫌な表情から一変。
秋野くんが…笑った。



