「ご、ごめんなさい…!」
みんな固まっていたから、私が謝って道を開ける。
すると他の子も我に返ったようで、通れるように道を開けた。
秋野くんは一瞬私を睨むように見た後、無表情で歩いて自分の席へと座った。
「……何あれ、めちゃくちゃ不機嫌じゃん」
「あそこまで怒る必要なくない?」
「かっこいいけど本当に容姿だけだよね、損してる」
さすがに言い過ぎなんじゃ…と思ったところで何も言えない私はやっぱり弱虫だ。
微妙な空気が流れていると…
「……あれ?
どうしたの?何かあったの?」
聞き慣れた声が、私の耳へと届いた。
間違いない…蓮くんだ。



