ーーー「じゃあ俺はこっちから行くから菜穂は向こうの道通ってね」
それから車に乗り、人がほとんど通らない裏道で降ろしてもらった。
そして私は駅からの道を歩くように言われた。
「でも、蓮くん遠回りになるんじゃ…」
「気にしないで。そこまで変わらないし」
だけど蓮くんは裏道を通って遠回りしてくれるらしく、申し訳なくなった。
「やっぱり私が…」
「いいから。早く行って?
じゃないと手をつないで一緒に登校しちゃうよ?」
「そ、それは…ダメ…」
そんなことされたら一大事だ。
ここは素直に甘えさせてもらい、私は駅からの道を通るため少し歩く。
そして蓮くんは反対側の道を歩き、これから私たちはただのクラスメイトの関係へと変わった。



