「嫌いじゃないだけ…?」
言葉を濁したのだが、蓮くんにさらに深く聞かれてしまう。
どうしよう…ここは本当のことを言うべきかな。
「……あの、ごめんね…好きとかそういう感情よくわからなくて…」
蓮くんをまっすぐ見れなくて、顔をそらす。
「そっか…じゃあお互い初恋相手になれるね」
「えっ……」
もう一度聞き返そうとしたら、突然蓮くんに肩を抱かれる。
ぐっと引き寄せられたかと思うと、耳元で甘く囁かれた。
「必ず俺のこと、好きになってもらうからね」
いつも通りの口調だけど、声は低く落ち着いていて。
真剣な感じが伝わってきた。



