無視されたのかと心配になり、私も後を追うようにして部屋を出る。 すると蓮くんはドアのすぐ隣の壁に手をつき、うなだれているような体勢だった。 「可愛い無理死ぬ、可愛いやばい可愛い……」 そして何やらブツブツ唱えていた。 「あの、蓮くん……?」 正気じゃないように見えたから名前を呼べば、はっとして私の方を向く。 「だ、ダメだよ…!どうして来たの? お願いだからこれ以上俺を追い詰めないで」 蓮くんはそう言って一歩、また一歩と後ろに下がる。