「いや、あの、本当に大丈夫…!」
「本当に気にしないで?
朝の登校も菜穂と一緒だって考えたら、俺は嬉しくて朝から頑張れるんだ。
だから逆にお願いしたい。
俺と一緒に行こう?」
…うっ……!
そんなお願いの仕方されたら、断りにくい。
まっすぐ蓮くんが見つめてくるから、そらすことなんてできなくて。
「……じゃ、じゃあ…お願いします…ありがとう」
お言葉に甘えることにした。
でも本当にいいのかな。
気を遣わせてしまったのかもしれない。
少し不安に思っていたら、私の返答を聞いた蓮くんが嬉しそうに笑う。
「ありがとう。
じゃあ寝室に行こうか」
なぜかお礼を言われた後、蓮くんは私の手を引いた。



