「そ、そんな可愛い技使っても今日はもう、騙されない、から…………ダメだ、やっぱり目を閉じて」
どうやら大丈夫そうな上条くんは、自分の片手で私の目を覆った。
途端に視界が暗くなる。
「あ、あの…上条くん……」
「名前」
「……っ」
「名前で呼んで?俺のこと」
目を覆われている状態だから、上条くんがどんな表情しているのかわからない。
けど、また声が落ち着いているように聞こえてきた。
名前…蓮って、呼ぶの?
そんなの無理だ。
恥ずかしい。
なら…蓮くん?
それでも十分恥ずかしいけど、こう呼ぶしかない。



