その時、バスッと鈍い音が廊下に響き渡る。

「…え?」
目を開けると不良達は伸びていた。

黒髪でキリッとした目、長身のスラッとした足、不良達を倒してくれたらしき彼には、ものすごい威圧感を放っていた。

何故か目を離せない。

「なに見てんの?」ギロッと睨まれる。

「…キレイ…ですね」
この言葉が真っ先に口から出た。

「は?」彼はぽかーんと口を開けたまま。

「あ!えっと、助けてくれてありがとうございました!」
私はお礼を言ってその場を後にした。

「変なやつ」

これが彼と私の物語が始まる出会いだった。