「新婦が入場致します。
みなさん後方の扉にご注目下さい。
大きな拍手で迎えましょう。」


中から聞こえるアナウンス。


その声に合わせて開かれた
扉の向こうには大好きな人たちと
愛する人の姿。


今日は結婚式です。


たくさんの拍手に包まれ、
隣にはお父さん。
腕を組み、一歩一歩陽輝の元へ。



プロポーズから1年。
今は杖が無くても歩けるようになった。


ちゃんと自分だけの足で
バージンロードを歩く。


一歩進むたびに
これまで支えてくれた人たちの顔が
思い浮かぶ。


お母さん、お父さん、愛美、里美ちゃん
大樹君、大和先輩、そして陽輝。


お父さんと陽輝が
固い握手を交わし、
今度は陽輝と腕を組み
神父さんの前に立つ。


式は進み


「それでは誓いのキスを。」