私は課長が、珍しく話をしてくれた事もあって、聞きたかった事を聞いてみた。もし、言いたくないと言われたら、それ以上は聞かないでいたらいいと。

「課長、少し聞いてもいいですか?」

「なんだ?彩奈事か?」

図星。
まさか、課長からその名前を出してくるとは思っていなかった。

「諒太から聞いた。あの話しなかったんだってなるなんでだ?言えばよかっただろう」

私は首を振りながら、否定した。

「そんな事、言えないですよ。課長のプライベートな事、勝手に言えないですよ」

「っ、そうか。ありがとな。彩奈と別れたのは6年前なんだ…」

「え、そんな前だったんですか…」

「ん?あぁ、結構前だろ?あれは…」