時には優しく…微笑みを

ここどこ?
あぁ、私また倒れちゃったのかな…
ダメだな、これじゃいつまで経っても、拓海さんの重荷になってしまう。

なんで倒れちゃったんだろう?
なんで?

あ、そうだ。
彩奈さんの相手の人の名前聞いたんだ。
加藤…なんとか…
ふっ、そんなわけないよね。
そんな偶然があってたまるもんか。
そんなわけない。

重い体を私は起こした。

頭が痛い。

私は、拓海さんの部屋で寝かされていたみたいだった。

リビングに行くと灯りが隙間の開いたドアから漏れていた。

「なんでそうなるんだよ。諒太」

「ちょっと待ってよ。それが本当だったら…」

「俺だって信じられないよ。でも、どこかで会った事があるなって思ったんだ」

カチャ…

私がドアを開けて入って行くと、拓海さん達がビックリしたように私を見た。

「ごめんなさい。また倒れちゃった…みたい」

謝る私に、拓海さんがすぐそばに来てくれた。

「謝る事じゃない。大丈夫か?」

頷く私をソファに座らせた拓海さんが、諒太さんにこの話はもう終わりだと告げた。

諒太さんも結子さんも納得のいかない顔をしていたけれど、私が起きてきた事で、断念したようだった。

「私なら大丈夫。結子さん、会った事のある人ってこの人ですか?」

私は持っていた携帯を見せた。