隣人はクールな同期でした。


「ごめんごめん。
目が覚めちゃったら眠れなくて。
まだ起きてたんだ」

『あぁ。
ついさっきまで仕事してたんだ』

「え、まだ会社?」

『いや、持ち帰ってきて部屋で仕事』

「あ、そう…」


副編集長って
こんな時間まで家で仕事するのか…
毎日大変だな。


『なんだよ、どうした?』

「え?」

『こんな時間にLINEよこすなんて
 お前にしては珍しいだろ。
 なんかあったのか?』


うわ、あいかわらず鋭い。
でもまさか「苦しくて…」なんて言えば
煌月の事だから心配するだろうし。


「本当にただの暇つぶしだけだったから
 気にしないで。
 明日も仕事なのに悪かったね。
 じゃ、おやすみ」


バレる前に切り上げようと
話を終わらせたはずだったのに。


『待て』


…そりゃこんな中途半端は止められるわな。


『調子でも…悪いのか?』


コイツは本当
どこまで勘が鋭いのさ…


「そんなワケ…ッ」


言い終わる前に
またさっきのような胸の締め付けに襲われ
誤魔化しようもない苦しさ交じりの声が漏れた。

こんなときに最悪。