それから。
早乙女さんには曖昧な返事をし別れたが
煌月がマンションに戻るのが決定かどうかは
ハッキリとは言われなかった。
聞くにも聞きづらいし
その話題にはそれ以上何も触れなかったんだ。
あの様子だと
決定で間違いないとは思うけど。
―――その日の夜。
「あ、やっぱ思った通りだ…」
「は?」
仕事が終わってマンションに帰ると
ちょうど同じタイミングで
煌月も自分の部屋に入るところに遭遇。
手には大きなボストンバックとスーツケース。
それにしても
昨日の今日で決定も行動も早いな。
「帰ってくるのが決まったの?」
「まぁそのつもりで少しずつ荷物を持ってきてんだ。
でかいモノは土日で終わらせるけど」
「そっか…」
早乙女さんは
今日もうすでに引っ越す準備している事をわかってたのかな。
何も言われなかったけど
受け入れたくない気持ちと葛藤しながら
煌月の意志に負けて承諾したのかもしれない。
「なんか手伝おうか?」
「いや、たいした荷物はねぇし
お前の体に負担掛かるのは避けたい」
…優しいな、オイ。



