隣人はクールな同期でした。

――― 夜 ――



「ジンくん!
 おかえりなさい!!
 ご飯にする?それともお風呂?」


休日出勤を終わらせた俺は
足取り重く実家に帰るが
家に入るなりヒナコの第一声に
二日酔いとは別に頭が痛む。


「ジンくん顔色が悪いよ!?
 どうしたのッ
 大丈夫!?」

「…なんでもないから。」


ただの二日酔いなんだよ。
お前の甲高い声が余計に響くんだよ。


「なんでもなくないよ!
 もしかして熱とかあるんじゃない!?」


そう言いながら
俺の額に触れようとしたヒナコの手を
思わず掴んで拒絶してしまった。


「え…」


拒まれた事に対し
ヒナコは衝撃を受けた様子で
その場で硬直している。

まぁ…そうなるか。


「本当になんでもないから。
 着替えてくる」


ヒナコが困惑しているのは理解していたが
一度も目を合わせず
ゆっくりと手を放して
自分の部屋に戻ろうとした。

冷酷で最低な男だよな。

それなのに…


「ま、待ってジンくんッ!
 どうかしたの!?
 私、ジンくんに何かしちゃった?」


背中越しに聞こえる
ヒナコの今にも泣きだしそうな悲痛の声に
無視する事が出来ねぇ。