隣人はクールな同期でした。

たぶん本当は
その“浴衣デート”とかってのも
したかったんだろうね。

せっかくアタシのために選んでくれたんだし
お言葉に甘えてみようと思う。


「アタシ…
 こっちが好き…だなぁ」

「本当か!?
 じゃぁコレにする!
 ちょっと待っててな!」


そう言って
紺に近い青の浴衣を持って
嬉しそうにレジへと走っていった彼。


「まったく…」


呆れながらも
こういう“デート”も悪くないなって
感じる自分がいるなんて
ちょっと笑ってしまう―――



(買い物と)取材を終え
アタシ達は店の外に出た。


「お腹空いたな。
 ご飯にするか?」

「そうですね。
 もうお昼ですし
 どこか入りますか」


腕時計で時間を確認すると
ちょうど午前12時を過ぎている。


「付き合ってた頃によく行った
 あのカフェに久しぶりに行かないか?」

「え…あ、はい…」


どうして今日はそう
過去のデートの再現みたいな事するかなぁ。


やりづらいな…とか思いながら
斜め後ろからついて行くように一緒に歩き出した。

だけど彼の表情は
嬉しそうにニコニコと笑顔。