「あ、七星さん…起きたんだね」


このタイミングで
眠い目を擦りながら
寝袋からモソモソと出てきた早乙女さん。


まさか今の会話を聞かれた!?


「おおおおおおおはようッ」


そう思ったら動揺しまくりのアタシ。


「あ!具合はもう大丈夫なの!?」


思い出したかのように
ハッと目を覚ました彼女は
どうやらさっきの会話は聞こえてないみたいだ。


「う、うん、もう平気。
 心配掛けてごめんね?」


話を中断してしまったけど
この状況じゃ仕方なく
早乙女さんに応対する事に。


「本当だよ~
 急に苦しみ出したかと思ったら
 グッタリしちゃうんだもん!
 私怖くなっちゃったよ」


えぇ、そうだろうね。
アタシ自身も死ぬかと思いました。


彼女の怪我もたいした事なくて
お互い『良かった良かった』
なんて話をしていたら
ちょうど煌月もテントに戻ってきたから
さすがに陽向さんとは
さっきの話の続きは(なんとなく…)出来なくて
結局アタシは何も言えず
そのままになってしまった。


気まずさだけが残る結果だ…