隣人はクールな同期でした。

「なんて言ってるか聞こえない!
 ねぇ煌月ッ!!」

このチャンスを逃したら
もう連絡が取れない気がして
アタシは思わず必死に叫んでいた。

けれど返答が聞こえてこない。

今にも切れそうな通話に
聞こえてるか聞こえてないか
不安を感じつつも
アタシは夢中で訴えかけた。


「早乙女さんと崖から落ちちゃって
 彼女、ケガしてて動けないんだよ!
 川沿いを目印に進んで!!
 アタシもなんとかするから!
 だからお願い!見つけてッッ」


ツー… ツー…

しかし叫びも虚しく
煌月の反応が聞こえないまま
電話は切れてしまった…


「そんなッ」


何度も何度も掛けなおそうと試みるも
電波はついに圏外に――

一気に押し寄せる不安と恐怖心。


「…ッ」


ドクンと大きく鼓動が跳ねる。

落ち着けアタシ…
今こんなところでアタシが倒れるワケにはいかない…
早乙女さんを…助けなきゃ。

でもどうしたら?
アタシに何が出来る?


「ふぅー…
 …戻ろう」


大きく息を吐き自分に喝を入れると
早くなる脈を落ち着かせながら
彼女の待つ崖下まで戻る事にした―――