「他に痛いところは?」

「それが、足も…」


右足首も捻ってしまったらしい。
コレだと歩くのは不可能か…

せめて煌月達に連絡が取れればだけど
アタシはスマホを置いてきちゃったし…


「あ!早乙女さんッ
 スマホ持ってる!?」

「え、うん、あるけど…」

「煌月に連絡取れる!?」

「あ、そっか!
 やってみるッ」


今いる場所を
2人に知らせなきゃ。

でもココは山の中。
右を見ても左を見ても
同じ景色ばかり。

どうやってココを伝えたらいいのか…


「ダメ、七星さん…
 どうしよう…
 電話が繋がらない…
 電波がないッ!」

「嘘ッ
 ちょっと貸してもらってもいい?」


彼女からスマホを借りるが
電波は圏外とまではいかないモノの
微弱すぎて電話をするのは難しい。

どうするか…。


「…早乙女さん
 その格好だと冷えちゃう。
 コレ着てて。
 アタシちょっと電波探しと
 近くを探索してくる」

「え、でも…」

「絶対に動かないで、ココにいて」


自分が着ていた上着を彼女に羽織
借りたスマホを持って
歩ける範囲で進み始めた。