しばらくして煌月は
ほとんどの荷物をまとめ
長期旅行に行くような雰囲気でマンションを去り
アタシ達は離れ離れになってしまった。


破局したカップルじゃあるまいし
その言い方は語弊があるか。


共に入社してから数年
仕事でも家でも
顔を合わせる回数も時間も多くて
ただの同期ってだけじゃ完結出来ないくらい
いつの間にか一緒にいた存在だったな。

もちろんいつかお互い
それぞれの人生を歩んでいく。
そしたらココを離れ
別々の生き方をしていくのはわかっていたけれど…
まさか今日だとは思いもしなかった。


現実になるって
案外あっという間だね。

明日の事は
誰にもわからないけれど
ただ、アタシ達は
このタイミングだったってだけ。


隣に心友がいなくなる事は
少し寂しい気持ちはあるよ?
でもいつまでも甘えてもいられないからね。

職場じゃイヤでも顔を合わせるし。

案外あの2人
一緒に住んだら仲が進展するかも。

付き合ったりして?

そしたら早乙女さん
喜ぶだろうね。

それならそれで
幸せならいいと思うよ―――