「…失礼します」


怒られ覚悟で静かに課長室内へと入ると…


「来て早々悪いな。
 実は七星に
 新しく始めた雑誌の広報を任せようと思っていてな」


課長はデスクで手元の資料を見つめながら
いきなりそんな事を言うもんだから…


「…へ?」


思わず気の抜けた返事が飛び出してしまった。


「やりたがっていただろ?
 新しい雑誌の担当」

「え、えぇもちろん」


そりゃぁ嬉しい話だ。
だけどまさか今言われるとは思いもしなかったから
未だビックリしてんだわ。


「今の時代インターネットが主流だし
 SNSも駆使していってもらいたい。
 それと――」


そう途中で言葉を止めると
手にしていた資料をデスクに置き
今度はアタシの目を見て一言尋ねた。


「コラムをやってみないか?」


と―――


「え…」

「広報部門からコラムを入れても面白いだろうし
今回、この企画を七星に一任しようかと考えている」


思ってもみなかった大きなプロジェクトに
アタシは一瞬フリーズしてしまった。