「あれ、おっかしいな…」


携帯と財布はあるのに
家の鍵がないなんて…
どっか出したっけかな…


「…あ、そうだ」


思い出した。

いつもより
ちっさい鞄にギュウギュウに入れてたから
携帯取り出すときに鍵も出して
鞄に戻すの忘れたんだ…

って事は…


「ヤバイ。
 会場に置いてきたッ」

「はぁ?」

「鍵!置いてきたっぽい!
 どうしよ、部屋に入れない…」


今からどこかビジネスホテルを探さないと。
でもこんな時間にどこが空いてる!?


「…ッ」


困惑で興奮したせいか
動揺しているせいか
さっきよりも苦しさが増した気がする…


「お、おいッ
 とりあえず落ち着け?
 それ以上興奮するな。
 ひとまず俺の部屋に入れ」


なん…ですと?
アレだけイヤがっていた“俺の部屋”に
今日は来いと?


「襲わないでくださーい」

「んな事言ってる状況か、アホ」


仕方なく
煌月と早乙女さんの愛の巣に渋々入り。
でっかいソファに腰掛けてみた。