最終的に。
“吹雪レナ”という人物が何者なのか
詳細を一切説明せず帰っていく吹雪さんと陽向さんを
アタシは玄関から見送った―――


まるで嵐が去ったようだ…
どちらかというと“荒し”…だよな。


「なんだったの…いったい」


本当にもう
“ポカーン”だわ。


「まさか男だったとはな」


なぜかアタシの隣で
一緒に見送る側に立っている煌月。
腕を組み『化けるモンだなぁ』って感心している。


「なんでアンタまでアタシの部屋にいるの」


そしてなぜまだ帰らない?


「陽向さんのデカイ声と音が
 こっちにまで聞こえてきたんだ。
 アレだけ玄関先で騒げば
 誰だって何事かと思うだろ、フツー」

「それで便乗して入ってきたってワケか」

「事件だったらマズイだろ?
 何かあったときに警察呼ぶ事考えてた俺って
 さすがだなー、優しいなー」


い、言い方が妙にイラっとする。
けど、言ってる事は確かにいいヤツか…
本当か嘘かは定かではないですが。


「んで?」

「は?」


何が『んで?』だ。


「本当に何もなかったのかよ」

「・・はい?」