誰だって、そんなのどこか他人事で。
きっと、リアルに自分の身に起こるなんて想像もしていない。
次々と世間を賑わせていたワイドショーの不倫ネタ。
私だっていつもそれを呆れながら見ていた。
そんなくだらない男と結婚しなくて良かったと。
夫の寝顔を見ながら、この人と結婚して良かったと、心の底から思っていた。
信じていたから。
不倫なんて。
サレ妻なんて。
自分には縁のないものだと信じきっていたから。
だからこそ私は…
あの日あの瞬間、底の見えない深い深い暗闇に突き落とされたんだ。
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