「は、はい……大丈夫、です!」



佐倉先輩が、一瞬顔を歪めた。

勘付かれてしまったかと焦ったけれど、どうやら杞憂だったらしい。



「……そう?ごめんね、煩くてびっくりしたでしょ?」

「い、いえ」



サッカー部の雰囲気に驚いたと思われたらしい。

誤解だったけど、とりあえずこっそり胸を撫で下ろした。



「でもほんとに、静香ちゃんが来てくれて助かる。当日はよろしくね?」




佐倉先輩の言葉が、胸に刺さった。


本当に、私は行っても、いいのかな?

和泉くんは……


……いや、もうやめよう。



「はい……よろしくお願い、します……」



そう言って、もう一度笑顔を作った。