【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


……あっ、



「そういえば、朝サッカー部が朝練してた……」



リナちゃんが遅く来たのにも、関係してる……?



「うん、あたしマネージャーも辞めたから。もうサッカー部にも行かない」

「えっ……!そ、そっか」



そんな返事しかできなくて、下唇を噛む。


どう、しよう……。


もし逆の立場だったら、落ち込んでるのが私だったら、リナちゃんはいつも、笑顔にさせてくれるのに。

私は全然上手い言葉が出てこなくて、自分が情けなくなる。


きっと今……辛い、だろうな。

好きな人と、別れるなんて……



「あ、あのね、リナちゃん……」



大丈夫、だよ。



「私は、いつでもリナちゃんの味方だよっ……!」



何にも出来ないけど、笑わせてあげることなんて、出来ないかもしれないけどーー寂しい時は、ずっと一緒にいるよ。