視界が反転して、目の前には和泉くんと、白い天井。

頭を打たないように、後頭部には和泉くんの手が添えられていた。


私……和泉くんに、押し倒されてるっ……?



「せっかくいろいろ我慢してるのに、可愛いことばっかり言うんですか……?」

「そ、そんなことしてないです……!」



と、というより、我慢って……?



「だから自覚がないって言ってるんです。俺の理性がどんだけ揺さぶられてるか、わかってください」



そう告げてくる和泉くんの表情は、切羽詰まっているような、余裕のない顔。

何を我慢しているのかはわからない。


でも……



「どうして嬉しそうなんですか?」

「え、えっと……和泉くんが向けてくれる感情は、どんなものでも嬉しい、です」



正直にそう言うと、和泉くんはますます眉間にしわを寄せた。