私と目があって、すぐに視線を逸らした和泉くん。



……どうして、見てたんだろう……

一瞬不思議に思ったけれど、すぐに理由がわかった。


きっと、このひまわりを見てたんだろうな……。


和泉くんは、花が好きなのかな……?

もしそうだとしたら、嬉しい……。


このひまわりを見て、和泉くんが少しでも明るい気持ちになってくれたなら……とっても、嬉しい。



……って、ダメだっ。

私は、和泉くんを忘れるんだから、和泉くんのことは考えないっ……。


自分にそう言い聞かせ、私は和泉くんの死角になる場所に移動する。

綺麗なひまわりの近くに、私がいたら邪魔だから……和泉くんにとって不快な存在でしかない私は、隠れておこう。


きっと朝の練習で疲れているだろうし、少しでも和泉くんが、花たちを見て癒されますようにっ……。