【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



「静香先輩って、意外っていうか……ほんと、面白いですね」



そ、そうなのかな……?

面白いと言われたことなんて滅多にないから、首を傾げてしまった。



「じゃあ、門限までには送りますね」

「え?ひ、1人で帰れますよっ……」



そんな、送ってもらうなんて悪い……。

和泉くんのお家がどの辺りなのかもしれないし、もしかしたら真逆かもしれない。



「送らせてください。俺、彼氏……ですよね?」



少し照れ臭そうに、私を見てくる和泉くん。

そんなふうに言われたら、断れない……。



「は、はい……」



正直、できるだけたくさんの時間を共有したいと思っていたから、嬉しかった。

恋人って……すごい。