「……ふっ、そんな困った顔しないでください。褒めてます」



ほ、褒め言葉だったの……？

そ、それなら、いいやっ……。



「……そのウブな反応みたら、噂も全部嘘だったってわかります」



愛おしそうに、見つめてくる和泉くんにさらに顔がかあっと赤くなる。

甘い和泉くんに耐性なんてあるはずもなく、その瞳に見つめられるだけで溶けてしまいそう。



「……もしかして、さっきのキスも……ファーストキス、でしたか？」



さっきの佐倉先輩とのキスを思い出して、びくっと肩が跳ね上がった。

そうだ……和泉くんの告白が衝撃すぎて、忘れてしまっていた。


佐倉先輩を責める気も、責められる立場ではないこともわかっているけど……

初めては和泉くんがよかったと、思わずにはいられない。



「……すみません、全部俺のせいですね」

「……え？」



どんな顔をすればいいかわからず俯いた私に届いた、少し低い声。