「でも……そんな時、静香先輩の悪い噂を聞いたんです」
噂って……私が軽いとか、愛人がいるとかの、かな……?
「勝手にいい人だと思っていた俺は、あなたに裏切られた気になって、ひどいことを言いました」
後悔の念に駆られているような、悔しそうな和泉くんの表情。
「合宿であなたのことを知って……自分が噂に惑わされていたことに気づいたんです」
これは本当に、夢……?
そう思うくらいリアルで、思考回路が曖昧になってくる。
「本当に反省してます。勝手にあなたを疑って、すみませんでした。俺を好いてくれていることにも気付かずに……きっと凄く、傷つけましたよね」
そんな……悪いのは和泉くんじゃない。
私の悪い噂はたくさんあるそうだから、信じて当然だ。
接点も、なかったから……。

