……くそ。

あの人はいつだって、俺を掌の上で転がすように子供扱いしている。

何がまっすぐ帰りな、だ……。


……でも、まだそこまで劣等感を感じずにいられるのは、静香先輩の好きな人が佐倉先輩ではないとわかっているから。

今までは、静香先輩より年下なことがコンプレックスのように感じていたけど……あの人が年下もいけるとわかってからは、年を気にすることはあまりなくなった。


あんなふうに余裕ぶってるけど、どうせキャプテンだって俺と同じ片思いだ。

……でも、わざわざ部室で何を話すんだ……?


付き合うことになるからっていうあの言葉も……正直まだ少し引っかかってる。


あー……。





* * * *




俺、なんかストーカーみたいじゃないか……。

どうしても気になって、来てしまった。部室に……。


電気がついてるから、多分中には、佐倉先輩と静香先輩がいるはず。