【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




「静香……!!」

「お、お兄ちゃんっ……」



ど、どうしてここに……?



「静香先輩のお兄さん……!?」

「美形兄妹すぎる……」

「ちょっと待って、ほんとにタイプ……!」



周りは一層騒がしくなり、マネージャーさんたちはお兄ちゃんを見ながら目をハートにしている。



「倒れたって聞いたぞ……!大丈夫なのか!?」



私の肩を掴んで、心配そうに顔を覗き込んでくるお兄ちゃん。

そういえば佐倉先輩が、家に電話してくれたって言ってた……。



「う、うん。もう平気だよ」

「念の為迎えに来たんだ……ほら、一緒に帰ろう!」

「え、えっと……」



どうしよう、バスで帰る予定だから、勝手に行動したらダメなはず……。

困っていると、離れたところから佐倉先輩が駆け寄ってきてくれた。