【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




あっ……!


下にあったコードに気づかず、躓いてしまった。

1日眠っていたせいで、身体も鈍っていたのかもしれない。


幸い転ばずに済んで、ほっと安堵の息を吐く。


けれど、周りにいたマネージャーさんたちが、心配そうに私を見ていることに気づいた。



「静香先輩大丈夫ですか!?」

「ご、ごめんなさい、躓いただけて……」


慌てて駆け寄ってきてくれたマネージャーさんにそう返事をするも、みんな顔を青くしてこっちを見ている。



「もしかして、まだ万全じゃないんじゃ……!?」

「もう休んでてください……!片付けはあたしたちでするんで……!」



ど、どうしよう……誤解を生んでしまったかもしれない……。



「え、あ、あの、もう平気なんです……!」

「ダメですよ無理したら……ほら、休んでください!」



ほらほらと出口の方に背中を押され、苦笑いを浮かべた。