『迷惑じゃないです』
『静香先輩が、来てくれるの……待ってました』
和泉くんのセリフが、私の脳裏でこだましている。
深い意味はないんだろうな……でも、
和泉くんに少しでも必要とされたみたいで、嬉しかった。
嬉しくて嬉しくて……思い出すだけで、頰が熱くなる。
「花染さん、顔が赤いけど大丈夫?暑い?」
「あっ……へ、平気です」
保健医の先生にすぐ返事をして、ごまかした。
この暑さはきっと……体調のせいじゃないからっ……。
「あ、あの」
「ん?どうしたの?」
「少し休んだら……戻ってもいいですか?」
「何言ってるの?1日休みなさいって言ったでしょ」
もうっと怒っている先生に、眉の端が下がる。
「でも……人手不足で……」
「大丈夫。いざとなれば自分たちでやらせればいいのよ。私、18時頃に帰るけど、私が帰った後もちゃんと休んどくのよ?」