【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


残された二年も、俺も……隣の和泉も、誰もが呆然と立ち尽くしていた。



リナちゃん、男は見る目ないけど……女を見る目はあると思うよ。

君が言ってたこと、今痛いほどわかる。


浮気されたのは可哀想だけど、こんな風に想われていて羨ましい。


静香ちゃんに——大事にされてるリナちゃんが。



もうダメだ。



欲しい。



今までぼんやりと、「良いな」と思っていたのが、今はっきりとした感情に変わった。

一目見た時から俺は——惹かれていたんだ。



この感情は多分「恋」。


自分には一生縁がないと、見放していたもの。



俺は……この子が欲しい。



この……優しくて繊細で、誰よりも心の綺麗な子を、俺だけのものにしたい。


こんな人を見つけてしまったら、我慢なんて出来るわけない。