【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




そいつのためにマネージャーを始めたから、もう続ける理由がないって話してたけど……多分、リナちゃん的に気を使ったんだろう。

相変わらず男らしい。



「だってリナうるせーんだもん。部活があるからデートも無理とか、つーか部活中は俺のこと他の部員と同じ扱いなんだぞ?ちょっとくらいは特別扱いしてくれていいじゃん」



元カレの言い訳に、鼻で笑いそうになった。

リナちゃん、男見る目なさすぎでしょ。

まあ、俺が言えたことじゃないけど……今度いい奴紹介してあげよう。



「キャプテン……早く戻りましょ……」

「ああ、うん」



立ち聞きしていたから何か言うのかと思ったけど、それほど興味もないらしい和泉が再び歩き出した。