【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



和泉くんだって……きっと私の噂、知ってたんだろうな。



私のこと、『軽そう』って言ってたもの。

言われてすぐは理解できなかったけど、きっと遊んでそうって言葉と、同じ意味だったんだろうな……。



あの、軽蔑の視線……


思い出すと、胸が酷く痛んだ。



きっと先輩も、私のこと……軽い女だって、思ってるかな……?

仕方ない、よね。

こんな見た目なんだから、誤解されたって……



「でも、その噂違うんでしょ?」



ーーえ?



「どう、して……?」



知ってるん、ですか?



「いや、全然違うでしょ」



若干笑みすら浮かべている先輩に、目をまん丸と見開いた。