【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


「この飯、すっげー美味いんだけど……!」

「わかる、俺おかわりしよっと!」

「マジ!?俺も食うから残してて!!」



食堂は騒がしく、皆んな美味そうにご飯を食べている。



「なあ、これ誰が作ったの?お昼のおばちゃんたち?」



一人の部員……二年の先輩が、マネージャーたちにそう聞いた。



「違うよーっ!マネージャーたちで作ったの〜」



……は?



「マジで?この前の合宿の時、リナ先輩が飯担当だったよな?」

「あの時は微妙だったけど、今日のはマジ美味い」

「他に料理出来る子いたんだな。リナちゃんいなくて、逆に助かったかも」



……意味、わかんねー。


誰よりも頑張ってたリナ先輩を悪く言う先輩たちに、腹が立った。

それと、まるで自分たちが作ったみたいな言い方をするマネージャーたちにも。