【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



もとより、合宿の料理に期待なんてしてないけど。



買いものが終わり、合宿所に戻る。


重たそうに袋を持つ静香先輩が気になって、内心ヒヤヒヤしながら見ていた。


ひ弱過ぎないか……?


袋一個で、足元フラフラしてるし……


……あー、くそっ……。


俺は静香先輩から半ば無理矢理買い物袋を奪って、ひとり先を歩いた。


前も思ったけど、本当に危なっかしい。

なんか、ほっとけないっていうか……って、だから俺とは関係ないのに……。


気づけば彼女のことを考えてしまう自分に、嫌気がさす。

気のせいか頭痛も酷くなってきて、早く合宿所に戻ろうと、歩く速度を速めた。


全員戻ってきて、静香先輩は手伝いに行ったやつらにお礼を言っていた。



「ありがとうございましたっ……」



俺に対しても頭を下げてきた静香先輩に、何も言わずに行こうとした時、



「あ、の……大丈夫、ですか?」



最初、意味がわからなかった。