【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


部員たちに必死にものを配る柴原の隣に、同じように動いている静香先輩の姿。


……あの人、なんで……。



佐倉先輩の彼女なら、佐倉先輩のことだけしてればいいのに。


……って、俺には関係ないことか。





モヤモヤした気持ちを抱えながら、なんとか午前の練習を終わらせた。


午後練になり、一年は雑用を熟す。


ボール拾いや、練習試合のためのライン引き、ゴールを移したり、普段ならなんともない作業が酷く辛い。

練習試合まで一旦休みたいと思うけど、そんなことをしたら怪しまれるに決まってる。



「和泉ー!」



そんなことを考えていると、柴原に名前を呼ばれた。



「ちょっと買い出しついてきてくれねー?」



買い出し……?