【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



「和泉、張り切ってんな!」

「ペース上げ過ぎんなよ〜」



先輩に背中を叩かれ、少し嗚咽がした。

気持ち悪い……でも、バレては無さそうだ。


風邪だなんて知れたら、家に帰されるかもしれない。

それだけは、絶対に嫌だ。







「10分休憩ね、みんな水分補給しっかりしろよ」



その言葉に、俺はホッと息を吐いた。

時間が経つにつれ、体調が酷くなっていくのがわかる。



「和泉くん!お疲れ様!!」

「はい和泉くん!水どうぞ!」



水やタオルを持って、群がってくるマネージャーを無視し自分でペットボトルを取りに行く。


ほんとに邪魔……

黄色い子も、視線も、全部が俺の気分の悪さに拍車を掛けてくる。


仕事しないなら、帰ってくれないかと思う。

ていうかリナ先輩いなくて大丈夫かよ……。


柴原ひとりじゃ流石に無理なんじゃ……

そう思い、柴原の方を見た。