【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

【side 和泉】





待ちに待った、合宿の日がやってきた。


……というのに、



「怠い……」



靴紐を結びながら、深く溜息を吐いた。


身体が異常に重く、悪寒がする。
熱が出たのだと、体温を計らなくてもわかるほどだった。

でも、休むなんて選択肢はない。


他の部員に遅れをとりたくは無いし、三年の先輩と練習できる最後の合宿。

1日目と最終日には練習試合も出来るんだ……風邪でもなんでも、やってやる。


怠い体を引きずりながら、運動場へ向かう。



「それじゃあ、今からランニング20周。終わったやつからペアで基礎練ね」



キャプテンの一言で、各自それぞれ練習を開始する。


……っ、くそ……怠い……。


身体が思うように動かなくて、周りにバレないよう必死に平静を装う。