【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜


私を見ながら驚いたように目を見開いていたけれど、今はそんなことも気にならなかった。


顔、真っ青……っ。

それに……


額に手を当てると、正常ではない熱が伝わってきて、思わず顔を顰めた。


凄い熱っ……すぐに部屋に運んで、休んでもらわないと……。



「和泉くん、立てますか……?」

「……な、んで……あんた……」



覇気のない瞳が、私を見つめる。

弱っているその姿に、胸が痛くなった。



「ひとりで立てそうになかったら、他の人呼んできますねっ……?」



どうやらもうもたれているのがやっとらしく、放っておくのは心配だけれど、健太くんを呼びに行こう。

私の力じゃ流石に、部屋まで運んであげることは出来そうにない。



「少しだけ、待っててくださ……、っ!」