【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜



「遅くなってすみません……」

「い、いいいえ!!!大丈夫、です!!!」



私を見るなり、アタフタしながら顔を赤らめた柴原くん。


……?

やっぱり、どうしたんだろう……?



「そ、れ、じゃあ……体育館から、案内、しますっ……!」



そう言って、歩き始める柴原くん。


挙動不審な態度に、私は頭上にはてなマークを並べた。



「あの……大丈夫、ですか?」



柴原くんの後をついて行きながら、そう尋ねる。



「ええ!!??な、何が、でしょうかっ……!?」

「なんだか落ち着かないように見えて……」



会ってからずっと、私と目も合わせようとしない。