随分と小柄で、私と同じくらいの身長をした男の子。
少年っぽさが漂っているその子は、何故か顔を真っ赤にしながら、私に向かって頭を下げた。
「は、初めまして……!柴原健太(しばはら けんた)です……!」
男の子にしては高めの声に、私も慌てて頭を下げて返す。
状況がわからず佐倉先輩を見つめると、先輩は柴原くんの肩をポンっと軽く叩いた。
「こいつ、唯一仕事とかちゃんと把握してるやつだから、マネージャーの仕事でわからないことあったら柴原に聞いてね」
あっ……なるほど。
「はい。花染静香です、よろしくお願いします」
どうやら私の指導係をしてくださるらしい彼に、私も名前を告げた。
「それじゃあ、俺は行くね」
ひらひらと手を振って、行ってしまった佐倉先輩。

