もう寝ちゃったの……!?

凄く眠たかったんだろうなぁ……。


きっとキャプテンだから、合宿のことでしなければいけないことが山ほどあったんだろう。

少しでも佐倉先輩が休息をとれるように、動かないよう気をつけなきゃ……。


横目で綺麗な寝顔を見て、無防備なその姿に思わずくすりと笑った。


いつもしっかりしてそうに見えるのに、寝顔は子供みたい……かわいいなぁ……ふふっ。



佐倉先輩を起こさないように、視線を窓の外に移した。


ぼうっと景色を眺めていた私の耳には、




「なぁなぁ和泉……!見て……!佐倉先輩と静香先輩……!」

「……」

「堂々とラブラブし過ぎじゃね……!?羨ましすぎる……!」

「……うるさい。喋んな」



後ろで繰り広げられているそんな会話が、入ることは無くて。


歯車が、静かに音を立て始める……



ーー波乱の合宿が、幕を開けた。